「プロローグ」

YOHEI KIKUCHI

今年5月制作を本格的にスタートした当初 アタマの中でいろんなアイデアが浮かび 想像のタネが跳ねるまま その楽しさに導かれ たくさんの引き出しを開け放ちました。 そこから徐々に手を動かし始め少しずつ出来上がってきた作品たち。

当初想像していたイメージのなかでは “前衛的で尖ったモノ・素材の冷たさや硬さを広げるようなモノ” そんな世界を構想していました。

でも実際にできあがった世界は想像とは違い 丸いし柔らかそうだし有機的で浮遊感がある。 『こうなったか。』と 自分で認識していた自分より深層の自分は かなり丸かったんだと気付かされます。 たぶん僕の感覚や目線 好きな世界は子供のままで止まっていて そこに大人になった自分が好きなデザインや建築的な要素が加わってるのかなぁなんて思ったり。

そんな僕が作るモノは立体と平面の2つの世界があります。

もともと僕自身 やることのジャンルは決めてなくって あとから自分がやっていることを客観的に見ると 立体作品は『彫刻なのか』とコチラも気付かされました。


学生時代にインテリアデザインや建築を学んだこともあってか 思考はデザイン的 ですが制作はとてもアナログでハンドメイド。 制作をすすめるなかで自然とそうなったんですが 工程のほとんど(たぶん98%くらいで)電動工具を使っていません。 元となるオリジナルから完成品まで 『削って・研磨する』 を手作業でひたすら行っています。 もともと磨いたりするのは好きな方なので このやり方が性に合ってるのかも知れません。

僕はカラダの感覚を大事にしていて
たとえば 『丸を丸く作る』ことも  ”真円”を作るなら機械で作るほうが速くて綺麗 でもそれだと誰が作っても答えが同じだと感じていて 図面どおりの円になると思う。 なんとなく人がつくる意味とか 物がたくさんある時代に自分がつくる意味 なんかをふとした時に ぼんやり考えたりするのだけど 個人が作るモノは個性というかイレギュラーやエラーが面白かったりするのかなぁと考えている。

いま僕は自分の身体が思う心地よい円を作りたいと思っていて 可能な限り手で作っています。 というか作りたくなるんですね。楽しい。機械で端折りたくなんかない。作るのが好きなんだな。たぶん。 まぁそのせいでデザインの細部を辻褄合わせるのが大変なのですが、、、

僕の掌も僕の眼もカラダのすべてが右と左でいびつです。 作品を見てくれるみんなも同じはず。
一見キチッとしてそうですが揺らいでいます。 そのほうが凸凹同士ハマるんじゃないかなぁなんて思う。

立体に関してはそんなモノを今は作っています。


平面についてもすこしお話しします。

僕の作っている作品は7:3くらいの割合で立体がメインとなっています。 もともと平面は僕の中で立体を補完するためのモノなんです。 あまり意識はしていないけど 自分にとってはラフスケッチやラクガキ イメージボードみたいな存在かも知れません。 なので今回展示する平面の作品は制作期間に入って1番はじめに取り掛かったモノになります。 立体作品を生み出すもっともっと前の段階。 原型と言うか削ぎ落とす前の根源的なカタチ。 たしかなイメージがあるわけではなく パッと浮かんだ瞬間の景色を描きとめたカタチ。 そしてそこから少しずつ世界を膨らませていった立体作品。 平面と立体との繋がりや広がっていく空気を楽しんでもらえると嬉しいです。

いろいろ話すと長くなりました。

今回自分のアトリエで自分で開催する初の展示。 あまり作品のことを説明をするのは得意ではありませんが 『でも僕が説明しないと誰がやるんだ?』と思いプロローグとしてお話しさせてもらいました。 展示の補足くらいの感覚であまり気にせず みなさんには自由に楽しんで見てもらえたらそれだけで嬉しいです。 2023年11月18日からどうぞよろしくお願いします。

YOHEI

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