『制作秘話』

“陶芸”というジャンルは他の素材に比べて自由度の高さゆえの苦悩もある。
良質な土が多い日本で、その歴史も長い事もあり、余所を見たり過去を見すぎると何もできなくなる事も多い。とくにSNS時代の今は色んな引力が誘惑してくる。

そんな中、波多野祐希は”余所見”をせずに真っ直ぐに土を見る。

『どうなるか分からない物』に対して体当たり。当たって砕けろ精神の『実験』を日々行う。具体的な例として、瀬戸市から借りた窯をぶっ壊したキャリア(経験)もある。

“とてもハイリスクなものづくり”

それは他者へのリスクだけでなく、自分自身もリスクを負うスタイルでもあり、作った物の殆どがカタチを残さず溶けてしまう事も多々あると言う。自ら原土を掘って、精製し、ブレンドして、作品を作る彼のスタイルにとって、それはかけただけの時間を全て失うような物。

そんな困難をくぐり抜けてようやく完成する一つ。

その時点でも相当数ふるいにかけられ、わずかに残った一握りというのに、さらに彼は今回の展示に向けて、かなりの作品を弾いて”推し”で固めて来た。『ストイック』この言葉に尽きる。

彼の本気がいまここに集結しています。それに呼応して僕も過去一の本気で挑みました。

『ここで作品を観てほしい』波多野祐希がそう言っていました。

作品は空間と共に在るもので、空間は作品にとって住処のようなもの。
ここでの表情はここでしか観れない。

海を越えた遠い所から『彼の作品が欲しい』と言う声が既に届いています。
国内はそれよりかは近いはず、みなさんからのアクションお待ちしております。

YOHEI

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