
こんばんは。gig.YOHEIです。来週末の開催と迫ってきた北田浩次郎さんの個展。いつもとは違うアート寄りの世界(gig.)で展示することに『少し緊張している』と北田さんは仰っていました。今回の展示作品は、北田さんが普段作るインテリア・家具よりも、よりオブジェに寄せたものや、彫刻的な作品を新作の一部として実験的に作っていると聞いています。僕もまだ一部しか見れていないので、みなさんで一緒にたのしく迎えていただけますと幸いです。
さて、そんな北田さんの作品との出会いは昨年春に大阪で開催された彼の初個展になります。僕らはその半年くらい前から彼のことは知っていて、SNSの発信を見ると『近々個展をやる予定』的な”チョイ出し情報”をたまに発信するんで、僕ら夫婦も未だか未だかと首を長くして待っていたファンの1人でもあります。チョイ出しにうまくヤラレた1人でもあるな。
SNSのビジュアルでも存在感を放っていた彼の作品。でも実際に実物を見たら、こちらの想像を超えてくる素敵な魅力を持っていました。画像では狙った一部分しか見えませんが、実物は思った以上に多面的で、ジオメトリックな表情の変化がぐるりと360度。そこに上乗せされる”削り出しの跡”や”張り巡らされた木目のライン”。その複雑な組み合わせを楽しみながら手に取り、さらに『これでもか』と言わんばかりに畳み込んでくる角度で変わる陰影のコントラスト。その作品を手に取る人を俯瞰で見たら、多分ルービックキューブを夢中で遊んでいる人に見えるかもしれない。
そんな心地いい衝撃を受けた北田さんの初個展は、いわゆる『THE GALLERY』でも『THE SHOP』でもない、こだわりの詰まったオーナーさんがお一人で切り盛りされる”良質な万屋”のような場所で開催されていました。北田さんが『初めての作品発表はここでしたかったんです』と言うように、オーナーさんの確かな審美と、遊び心ある世界観、そこに集まり迷い込んでくる物好き達。と、北田さんが『ここでやりたい』と感じた意味を僕ら夫婦も深く感じました。そしてそれと同時に、彼自身が物をどう届けて、どのような形で見せたいか、をきちんとこだわりを持って選んでいる人間なんだと嬉しく思いました。
物との出会いは必ず場所もセットで付いてきます。アートも工芸も流行りになっているし、人気のアイテムが手に入るならどこでも良いと思う人も多くなってきているかもしれません。ただ僕自身は『どこで手に入れたか』や『だれから受け取ったか』を大切にしたいと思っています。僕は北田さんの作品を”あの”会場で見せていただけたことに意味があると思っていますし、多分ほかで見ていたらまた全然違った捉え方になっていたかもしれません。
来週末に迫った展示、彼の作品が見せる表情は場所場所でまた違ったものに見えると思います。僕ら夫婦が彼の初個展で受け取った感動、そしてそれに似た感覚を、ここでまた新たな誰かに、たった1人でもいいのでお届けできれば嬉しいです。へんくつなアーティスト夫婦が作る場所ですが、物が好きで偏見のない方は大歓迎です。心地よい出会いをお待ちしております。
YOHEI