ご来店の前にすべての皆さんに知っておいて頂きたいこと。
「空間の成分表示」それなに???状態だと思いますが、ちょっとずつお話ししますね!
good is good.は、お料理屋さんで言うと『店主1人でやってるカウンターだけの店』みたいなポジションだと思うんですね。従業員を雇っているレストランやファミレスと違って、店主が1人で提供できる範囲、お客さん同士も心地よく居れる範囲が、他のお店よりシビアです。
“お店が狭い”と言う意味でもないのですが、僕含め、お客さん一人一人のパーソナルスペースを広く取っていて、お客さん同士の「感情」や「心情」そして「温度感」も干渉し合う不思議な場だと思っています。だからお客さんの”マインド”も含めて、うちの空間を構成する要素のひとつだと考えています。
提供するタイミングや、お客さんの好みなどを知って、少しづつ関係を築いていくような、個人料理店、またはお1人様限定の完全予約制の美容室・サロンみたいな感覚です。
僕がよく言う『モノが好きで偏見のない方が好き。』というフレーズ。モノを楽しむ、空間を楽しむ、そしてアーティストとお店へのリスペクトを持っている人、は、老若男女問わず、誰でもウェルカムなそんな場所。という意味です。年齢や肌の色、身だしなみとかは関係ないです。うちは偏見のない素敵な人たちは、学生さんであろうが、有名企業の社長さんであろうが、対応に差はありません。
実際にgood is good.には、常連さんから初来店の方、美大生さんからご年配の方まで、幅広くお越し頂いており、1人でゆっくり楽しむタイプの方から、はじめて会ったお客さん同士で気付けばオブジェトークで盛り上がっている方々もいます。
巷でよくある”常連さんのみ”で盛り上がる入りにくい居酒屋ってあるじゃないですか。僕もこう見えてビビりなのであれは苦手で。それとは逆の空気感を、ここに来るお客さんみんなで作ってもらっていて僕は幸せ者です。
純粋にモノと場所に敬意を払って楽しんでくれる人って、ほかの人の心も楽しませる不思議な力を持っています。講演会とかって「聞き上手が前の席に居るとうまく行く」なんて言いますが、それと同じこと。
ただそこに、”例えば”ですが、無理やり連れてこられた友達とか、興味ないけど仕方なく付いて来た、夫婦やカップルの相方さんなどが居たら、空間の中で『楽しんでいない人』が現れ、『はやく帰りたいなぁ』なんて、そんな負のオーラが、空気を少し重たくしちゃうことも有りますよね。まぁ連れて来られた方の気持ちもすごくわかるけど。
また、ギャラリー関係の方などでも、個展アーティストの作品は気になっていて、でもうちの事は興味はなく、当店の事を調べずにお越しになるケースが多々あり、スタッフ総出で半ば攻め入ってくる勢いの方もいたりします。ディズニーランドにライバルアミューズメントパーク企業の人がスーツ着てあちこち調査なんてしてたら、夢の世界が壊れちゃう。そんな感覚。。。(当店は入場人数1グループお2人まで)
ほかにも、写真撮影をお断りしていることや、靴を脱いで入店することを知らずにお越しくださり、すぐ受け入れてくれる人もいるのですが、不思議そうな顔をされるかたもいらっしゃいます。写真を撮りたくなる気持ちもとてもわかるんですが、僕自身がほかの美術館などに行った際に、写真を撮ることに夢中になって展示物(実物)を見てない人があまりにも多いことにびっくりして、自分の作った空間ではそうなりたくないなと、写真撮影をお断りしているんです。
“ゆっくりモノと空間を味わいたい”と言うお客さんが、その世界に没入できるように、可能な限りの”マイナス情報”はできるだけ少なくしていきたいと思っています。
そして僕自身も『モノ』が最高に見える状態に『空間』を仕上げて、それを『楽しみに』して来てくださっている”前提”でお客さんを待ちこの場所にいます。お金と商品をただ交換するだけの行為は僕のやりたいエンターテイメントではありません。
ここの空間の成分表示は僕だけでも、お客さんだけでも成り立ちません。
お店の空気を作るのは、僕と来てくださるみなさんです。
僕はこの場所を『モノと空間と自分をゆっくりと見つめる』そんな場所にしたいと願っています。いろいろお願いが多い場所ですが、ここに来るすべての人が楽しく幸せな時間を過ごせるように僕はしたいだけなので、みなさんの優しいお気持ちと、リスペクトのあるご来店をお待ちしております。
YOHEI